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用語比較

ゼロトラストとVPNの違い

一言でいうと

VPNは通信のトンネル、ゼロトラストは接続先ごとに利用者・端末・権限を検証する設計です。認証連携と動作確認ができる業務からアプリ単位のアクセスへ移し、未対応の通信は接続先と権限を絞ってVPNに残します。切り替え前に正規の許可、条件外の拒否、障害時の復旧を確認します。

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ゼロトラストとVPNの違いを、接続経路・利用者と端末の検証・アプリ権限で比較。ZTNAに移せるWebアプリとVPNを残す業務を分け、許可と拒否の受入試験、認証障害時の切り戻し、運用費用の見積もり方を整理します。無料教材と権限棚卸しへの導線付きです。

難易度
中級
想定読者
リモートアクセスを見直す情シス・ネットワーク運用担当
所要時間
約11分
最終確認
2026-11-06
VPNの通信トンネルと、ゼロトラストで利用者・端末・リソースごとに判断する設計の比較図
経路を確保する役割と、業務リソースへのアクセスを判断する役割を分けます。図版はCyberLens編集部作成。
  • 1|業務と通信を棚卸し

    アプリの責任者、接続元、認証、必須プロトコルを整理。

  • 2|試験範囲を分ける

    連携できる業務から試し、未対応の経路は最小化して残す。

  • 3|許可・拒否・復旧を記録

    失効時の挙動と障害時の切り戻しを確認して次へ進む。

リモートアクセス移行の判断順序。移行済みと残存の経路を一緒に管理します。

VPNとは

Virtual Private Network。離れた端末や拠点から、設定した経路でネットワークへ接続します。暗号化トンネルを使うリモートアクセスVPNでも、接続先の範囲は経路や認可設定で変わります。

ゼロトラストとは

利用者や端末が社内ネットワーク上にあるという理由だけで信頼せず、対象リソースへのアクセスをポリシーで判断する考え方です。ZTNAはアクセスを仲介する実装の選択肢です。

違いの比較表

比較軸 VPN ゼロトラスト
目的 離れた端末・拠点から必要な通信経路を作る 利用者・端末・対象リソースを基にアクセスを判断する
許可の単位 経路や宛先。接続先制限や利用者認証も組み合わせられる 対象アプリ・リソースと操作権限。実装に応じて条件を適用
向く条件 現行業務に必要なプロトコルや拠点間経路が移行先で未検証 認証連携、対応プロトコル、端末条件を確認できる業務
権限の失効 VPNセッションと、その先のアプリのセッションを別に確認 ID基盤での停止から既存アプリセッションの失効までを確認
障害時 ゲートウェイ、経路、認証基盤を切り分ける 認証基盤、端末状態の連携、コネクター、アプリを切り分ける
費用の単位 同時接続・ゲートウェイ容量・冗長化・回線・保守 対象ユーザー・アプリ・コネクター・IDや端末管理・移行工数

移行対象が決まったら、アプリの権限を棚卸しする

アプリに残る管理者・利用者・外部共有の権限を整理します。判断表で不足した条件を、次の記録へ引き継げます。

無料のSaaS権限棚卸しを始める

使い分け

  • ブラウザの勤怠・申請アプリは、認証連携や端末条件を検証できるなら試験移行の候補にします。
  • 旧式クライアントや拠点間接続は、移行先で必須機能が使えるまでVPNに残します。接続先、権限、例外の期限を明記します。
  • VPNとアプリ単位のアクセスが併存する期間は、退職や端末紛失時の遮断を両経路で確認します。

VPNからZTNAへ移せるアプリと残す通信の分け方

アプリ名と所有者、接続元、必須プロトコル、認証方式、緊急連絡先を棚卸しします。Webアプリでもクライアント証明書や外部のコールバックが必要なら、切り替え前に動作を確認します。移せない通信は宛先・ポート・利用者の範囲を絞り、例外の見直し日を決めます。

NIST SP 1800-35の2025年6月最終版には19の実装例があります。これは候補構成を検討する資料です。自社の通信が動くかは、業務の要件と試験結果で判断します。

最初の受入試験は1アプリ・4条件で始める

編集部の試験例として、1アプリを対象に、①権限あり・管理端末は許可、②権限あり・未管理端末は拒否、③権限なし・管理端末は拒否、④権限を取り消した利用者は期限内に遮断、の4条件を検証します。未管理端末を許可する業務では、②を閲覧限定など承認済み条件に置き換えます。

④では、新規接続だけでなく既存のアプリセッションがいつ止まるかも測ります。ID基盤で停止した時刻、アプリの遮断時刻、ログの判定理由を残します。許可されるべき操作が失敗する、拒否条件で接続できる、必要なログが残らない場合は、本番切り替えを止めます。

障害時の復旧・併用期間・費用の比較

認証基盤が止まったとき、全員にアクセスを開放する構成を避けます。承認付きの限定アクセス、期限、監査ログ、業務側の責任者を決めて復旧を試験します。VPNの停止条件には残存アプリの移行、例外の承認、復旧試験の完了を含めます。

費用は同じ利用人数とピーク同時接続、同じ対象アプリで比べます。移行先のID・端末管理、コネクターの冗長化、問い合わせ対応と、残存VPNの保守を別行にし、併用期間の二重費用を確認します。

よくある誤解

  • ZTNAを契約した後も、対象外のアプリ、共有ID、端末条件の例外を棚卸しする必要があります。
  • VPNでも利用者認証と宛先制限を設定できます。接続後にどのアプリ・データへ到達できるかを実測します。
  • 認証の成功と、対象データへの操作許可は別の判断です。ログイン後のアプリ権限も確認します。

よくある質問

ゼロトラストにしたらVPNは廃止できますか?

対象業務をすべて移せて、許可・拒否・障害復旧を試験できた段階で廃止を検討します。未対応の拠点間通信などがあれば用途を限定して残します。

ZTNAとゼロトラストは同じですか?

ゼロトラストはアクセス設計の考え方です。ZTNAは実装の選択肢で、ID管理、端末条件、対象アプリの権限、ログの運用を合わせて設計します。

パスワードとMFAがあればVPNも同じですか?

MFAは利用者の認証を強化します。接続先の絞り込み、端末状態、業務権限、失効後の既存セッションがどう扱われるかも確認します。

初回の移行対象はどう選びますか?

認証連携が可能で、責任者とテスト手順が明確な1アプリから始めます。業務停止時の影響を見て、復旧できる範囲で試します。

編集・確認情報

CyberLens編集部がNIST SP 800-207と2025年6月最終版のSP 1800-35を照合しました。受入条件と比較方法は編集部の例です。特定の製品を用いた導入検証や性能比較は実施していません。 最終確認日は 2026-11-06 です。

参考資料は用語・設計・機能例の確認先です。製品ごとの範囲は異なり、特定製品の推奨や比較全体の公式認定ではありません。資料の公開時点と現行の公式案内も合わせて確認してください。

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